ちょっと気になるお金のはなし

保険貧乏にならないために

吉住京子
メルボルン在住のオーストラリアでは珍しい日本人ファイナンシャル・プランナー。 難しいお金のことを分かりやすくアドバイスする「お金の専門家」として、個人からビジネス・オーナーまで幅広いクライアントを持つ。日本人コミュニティー向けメディアでの連載記事やセミナーなどでも活躍中。
[ www.fpkyoko.com.au ]

自分と家族を守るために加入する保険ですが、様々な保険があり困惑しますね。
保険を考えるにあたって、「何のためにどんな保証が必要なのか」を考える必要があります。大切な物や人を考えることで必要な保障の大きさは変わります。 「○○保険に入ろう」と考えるとどれがお得かで商品を決めがちですが、本来の目的を見失うことがあります。自分にあった保険を見つけるためには、理想のライフスタイルや目的、守りたい物を考えるところから始めます。万が一があった時にマイホームは守りたいですか? それとも売ってダウンサイズしますか? 家族は金銭的に困らず何年生活できますか? 子供の将来に準備はできていますか?

オーストラリアの保険は日本とは違い掛け捨てです。高いイメージがありますが、実際今まで見たケースではかなり日本より安いです。例えば$100Kの生命保険、日本では8,000円ほどなのに、こちらでは$20ということも多々あります。

生命保険、障害者保険の保険料はスーパーから支払うこともできます。この場合15%のリベートがあるのでかなりお得です。例えば月$100の保険料の生命保険を買うとします。$100の保険料はアフタータックスのお金で支払っているので、お仕事をされている方は税金も支払う必要がありますよね。言い換えれば$100の保険料の為に$140ほど稼ぐ必要があります(30%の税率の場合)。しかしスーパーでは$15が返ってきますので、$85で加入できるんです。同じ補償額なのに加入の仕方によって月に$55の差があるんです。これが毎月、毎年続くと考えると大きいですよね。

所得補償保険も加入できますが、これは自分で支払っても税金控除になる保険料なので、税率が15%以上の方はご自分で加入した方がスーパーで加入するより多くの税金を控除することができます。

こんなに差があるなら皆さんスーパーで保険を考えますよね。でもその際に落とし穴もあるので気をつけましょう。

落とし穴1
定義。障害者保険や所得補償保険の場合、保険料を支払っていても仕事をしていなかったり、所得が落ちていると定義が劣り、保険が出なかったり、少なく支払われるケースがあります。 また、今している自分の仕事ができなくなっても、資格に基づいた許容範囲内の他の仕事につける場合は保険はおりません。
例えば、外科医が指が使えなくなって手術ができなくなっても、GPとして仕事ができる場合には保険はおりません。特殊な職業の方、寿司シェフやマッサージ師など資格の高い方などは注意です。

落とし穴2
ユニット制の保険。インダストリースーパーに多い保険のかけ方です。この場合ユニットの数は減りませんが、ユニットの価値が年齢とともに下がり、補償額がどんどん下がっていくものです。

自分に合った保険を見つけるのは一苦労です。保険の診断、加入のお手伝いは無料で受けていますのでお気軽にお問い合わせください。