ちょっと気になるお金のはなし

お金の価値

吉住京子
メルボルン在住のオーストラリアでは珍しい日本人ファイナンシャル・プランナー。 難しいお金のことを分かりやすくアドバイスする「お金の専門家」として、個人からビジネス・オーナーまで幅広いクライアントを持つ。日本人コミュニティー向けメディアでの連載記事やセミナーなどでも活躍中。
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前はシティーに住んでいたのですが、もっと大きな家と庭と求めてシティーから離れてみました。そこでお金について気づいたことがいくつかあります。いままでスーパーで買い物をしていましたが土曜にマーケットに行くようになって食費が半減したこと。お財布のなかの$100が長く滞在してくれます。今まで$100支払っていたものが$50ですみます。そこで$100の価値をちょっと考えてみました。

嫌なたとえかもしれませんが、年収$100K稼いでいる人と年収$35Kの人にとって$100は同じ価値があると思いますか?  物価の高い都市に住んでいる方と安いところに住んでいる方でお金の価値は変わると思いますか?生活の支出に関しては給与水準によって割安な人もいれば、割高になる人もいるのではないでしょうか? 

別の例を考えてみましょう。バーゲンセール、特に日本の福袋はお得なようで実は無駄使いだったという経験はないですか?  「半額、何%オフ、二つ目半額」などに惑わされてつい買ってしまうこともあります。節約を重視しているようですが、不必要なものを安く購入しても節約にはつながりません。

または車を購入する際に、車の予算は$25,000、でもオプションを様々つけて$30,000になってしまった場合、大きな買い物だから$5,000のオーバーは仕方ないと考えますか? 普段だったら$5000の買い物を簡単に決めますか? 

貯金も同じことが言えます。貯金の原資となる$100は年収に関わらず$100ですが、人によって重みが違うと思います。$100を現金で持っておくのか、銀行の3%の金利の定期に預けるのかで1年後$100と$103の違いが出てきます。たった$3と思われる方は、やはりいつまでたってもお金の価値を高めることができないのです。

同じ$100でも考え方一つで$1,000、もしくは$10,000と同じと捉える人もいるでしょう。$1と$100、$1,000に対するあなたの姿勢は違いますか? 価値を生まない$100のまま放置するのか、もっと金利が高いものに預けておくのかでは期間が長ければ長いほど大きな差を生み出します。

自分にとっての$100の価値を捉え直すことで家計管理が違ったものになるのではないでしょうか? あなたの$100の価値はいくらでしょうか?