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いよいよ大詰め。今年の冬はAFLで熱くなろう!

AFLを楽しむための基礎知識

オーストラリア発祥の人気スポーツといえば、オーストラリアンフットボール(AFL / Australian Football League)。オージールールズとも呼ばれる、屈強なプレーヤー達が激しくぶつかり合う大迫力の格闘スポーツだが、2012年のシーズンも熱狂のうちにいよいよ佳境へ。AFLのことを知って今年はもっと楽しもう!

オーストラリアンフットボールとは
クリケット選手のオフシーズン用のトレーニングとして、ラグビーを基にしたルールで1858年に誕生したオーストラリアの伝統的スポーツ。クリケットやラグビーと並んでオーストラリアでは熱狂的な人気を誇る。サッカーのように走り、ラグビーのようにタックルするダイナミックさと、広いグラウンドでのスピーディーな試合展開が観る者を圧倒する。オーストラリア各地にクラブチームがあり、シーズンは4月から9月。10万人以上の大観衆を集めて行われるメルボルンクリケットグランド(MCG) でのグランドファイナルを目指して18チームがしのぎを削っている。

ルール
ラグビーボールをひとまわり小さくした楕円形の皮製ボールを使用し、1クォーター20分x 4クォーターでゲームを行う。ルールはシンプルで、楕円形のフィールドに散らばった18人のプレーヤーが相手のタックルをかわすための「ハンドパス」(ハンドパスといっても投げることは反則で、ボールを片手にのせ、もう一方の手の拳でパンチして飛ばす)や「ランニング」、ボールを大きく前に運ぶための「キック」、15m 以上蹴られたボールをノーバウンドでキャッチする「マーク」などでボールをつないでゴールを目指す。マークを取ると、プレーヤーはその地点からのフリーキック、または試合続行を選ぶことができて有利になるため、ゲームでは「マーク」を得るための激しいぶつかり合いが多くなる。特にゴール前でのマーク合戦は見もの。また、ボールを持って走る場合には15mおきに地面にボールをつけるか、バウンドさせなければならない。さらに、味方を相手のプレッシャーから守るための「シェパード」やボールを奪うための「タックル」など、ゲームの全ての局面で、高いレベルのスキルを持ったプレーヤー同士のスピーディーで激しい競り合いが繰り広げられる。

得点の方法
楕円形のフィールドの両端に立てられた4本のポールの内、中央の2本のポールの間にボールを蹴り込めばゴールとなり、6点の得点。高さの制限はなく、転がして入れてもゴールとなる。また、外側のポールの間に蹴り込んで入れるとビハインドと呼ばれ、1点の得点となる。例え中央のポールの間に入っても、ボールが入る前に他のプレーヤーにタッチされるとビハインドとなるほか、キックされたボール以外はどのポストの間に入ってもビハインドとして1点のみの得点となる。

アデレードのチーム
南オーストラリア州にはAdelaide Crows とPort Adelaide Power の2チームがあり、両チームのホームゲームはWest Lakes のAAMI Stadium(5万人収容)で行われる。中でも熱狂的ファンの多いAdelaide Crowsは今季、新監督の下でTaylor WalkerとKurt Tippetがメインゴールキッカーとしてチームを引っ張り、優勝争いに食い込む戦いぶりを見せている。また、Patrick Dangerfieldはフィールド上を駆け回りボールコンテストやタックルを決める、その名の通りキケン(?)な選手で、要注目。
● Adelaide Crows:http://www.afc.com.au/Default.aspx
● Port Adelaide Power:http://www.portadelaidefc.com.au/Default.aspx

日本のオーストラリアンフットボール
オーストラリアの国民的スポーツのAFLだが、実は日本にもチームがある。JAFL(日本オーストラリアンフットボール協会)が、東京、大阪、名古屋に、学生、社会人、外国人、混成の計7チームを運営し、日本でのAFL普及に力を入れている。また、日本代表チーム「SAMURAIS」は、3年毎に開催される国際大会にも2002年以降参加している。
JAFL:http://www.jafl.org/

記事監修:秋田 友樹 / Yuki Akita
岡山県出身25歳。現在Mount Gambier High Schoolで 日本語(Year 8 -11)と数学(Year 8)を教える傍ら、West Gambier Football Club に所属。SA歴は10年、AFL歴も6年になり、高校生の試合の主審も務める。日本でもJAFL(日本オーストラリアンフットボール協会)のチーム「Samurai Japan」に所属し、国際大会にも出場している。

編集:2012年6月