アデレードで頑張る人を応援

川井 真由美(CA公認会計士 / Chartered Accountant)

チャレンジを続ける 

CA公認会計士 / Chartered Accountant 
川井
真由美(かわいまゆみ)

日本の高校の留学プログラムで訪れた南オーストラリア州で、現地の高校と大学を卒業した川井さん。大学卒業後に公認会計士となり現在はグローバルな会計事務所でオーストラリア企業はもちろん、日系企業や日本とオーストラリアのビジネスをつなぐ力になりたいと忙しくも充実した日々を過ごしている。

留学のきっかけ

南オーストラリア州の姉妹都市にあたる岡山県出身の川井さんが初めて南オーストラリアを訪れたのは、高校2年生のときのマリアットビル高校への短期留学プログラムだった。幼いころから家族で海外旅行をする機会があり、他の国の文化に興味を持っていた川井さんは中学校から海外留学することも考えていたという。両親との話し合いの結果、最終的には海外留学プログラムがある地元の高校に進学した川井さんだが、初めての短期留学の印象はとても鮮烈でその経験が翌年からの1年間長期留学へと繋がった。
「正直、長期留学の校内選考はパスできないと思っていました」という川井さんだが留学にチャレンジしたいという強い気持ちも後押しして見事に選考を突破。留学先にはアデレードかマウント・ギャンビアの選択があり、地方都市のマウント・ギャンビアの高校への留学が決まった。マウント・ギャンビアはアデレードと比べて町の規模も小さく活動範囲も限られ、また日本人も少なかったが、いずれも英語力を伸ばすためには良い環境だったという。

自分に負けずに頑張る

「中学校1年生のころに家族でアメリカを旅行したとき、アメリカ人の小さな女の子から話しかけられても全く意味が分からなかったんです。それが英語をマスターしようと強く決心した瞬間でした」。自らを負けず嫌いと語る川井さんは旅行から帰国後すぐさま英語の猛勉強に取り組んで、倉敷市のプログラムに選抜されてのニュージーランド留学や日本の英語学校への通学など、積極的に行動した。そんな原点が、マウント・ギャンビアの高校留学を終了と同時の日本の高校卒業、そしてその後のファウンデーションコース(大学進学準コース)を経ての南オーストラリア大学への入学に川井さんを導いたのだった。大学では元々数学が好きだったことや将来の就職のことなどを考えて会計学を専攻した。

「こちらの大学は入るのは簡単だけど出るのが大変、というのは本当でした」という川井さんだが、大学での勉強も負けず嫌いの力を発揮して無事修了した。大学卒業後は学生時代に勤めていた日本食レストランで実績を認められ、永住権がでるまでフロアマネジャーとして経理も担当した。

新しいチャレンジ

1年後の永住権獲得と同時に会計事務所への就職活動を始めた川井さんは、会計事務所にレジュメを配り回り始めて間もなく就職が決定し、働きながら公認会計士になるための勉強を本格化させた。「大学のときも大変でしたがその10倍はきつかったです」というが、晴れて公認会計士となり専門分野でのキャリアアップを図っていくことになる。
会計事務所で会計士としての実績を5年間程積み始めた川井さんは、2014年には世界の四大会計事務所の一つとして知られるEY(アーンスト・アンド・ヤング)への転職を成功させた。
「オーストラリアに来る前は英語を話せるようになることが自分にとってのチャレンジでしたが、こちらに住むようになってからはもうそれはチャレンジというものではなくなってきました。会計士になるチャレンジもしました。今はEYで自分をさらに高めていくことがチャレンジだと思っています」。
川井さんの原動力となっているのは目標を作ってチャレンジしていく姿勢だが、一方で転職にはもう一つ大きな理由があった。それは日本とオーストラリアをつなぐ役に立ちたいという願望。EYの今回の募集は、日本語と英語、今までの自分の会計分野での経験、日本とオーストラリアについての知識、そして自分が高校の時から学んだ事全てが活かせる内容だったという。実際、川井さんは入社後主に監査に関わる業務を行いながら日本エリアのEYメンバーファームである新日本有限責任監査法人とのやりとりや現地の日系企業への対応など、日本人であることと自分のこれまで築いてきたスキルと経験を大いに活用している。
「業務量が多くて仕事はハードですが、今の会社だからできることや学べることがたくさんあるのでやりがいを感じています」

これから留学する人に

「この先も自分にチャレンジを課して進んでいきたいですし、ネットワーキングももっと広げていきたいです」
常にチャレンジを続ける川井さんは最後にこれから留学する人にメッセージを残してくれた。
「これからは英語を習得することに加えて自分が何を身に付けるかが大切だと思います。ローカルの学生は自分の将来を見据えてワークエキスペリエンスなどで職務経験を積んだりしています。特に日本人の場合は言葉の壁もあって遅れをとる場合もありますが、是非チャレンジして頑張ってほしいと思います。」

取材:201412

EYジャパン・ビジネス・サービス(JBS): ey.com/au/en/JapanBusinessServices
20名以上の日本人を含むメンバーで構成されているジャパン・ビジネス・サービスでは、監査、税務、トランザクションアドバイザリーなどオーストラリア市場への進出や事業展開に関連した幅広いサービスを提供している。最近日英バイリンガルのウェブサイトがリニューアルされ、各種最新情報を確認できるようになった。