アデレードで頑張る人を応援

小野川 勝太・知世(歯科技工士 / Dental Technician)

日本人であることを生かして

歯科技工士 / Dental Technician
小野川 勝太(おのがわ しょうた)
小野川 知世(おのがわ ともよ)

アデレードに移住して4年目になる小野川夫妻。日本で培った歯科技工の技術と経験を生かしながら、仕事とプライベートのバランスのとれた充実したアデレードライフを満喫している。

アデレードへ

小野川さん夫妻がアデレードに移住したのは2012年。歯科技工士として就職したことがきっかけだった。実はアデレードに来る前にはニュージーランドのオークランドでやはり歯科技工士として4年ほど働いていた二人だが、ニュージーランドとオーストラリアの交流が盛んなことから自分たちも自然にオーストラリアにも興味を持つようになっていったという。そして実際に旅行と仕事探しも兼ねてアデレードを訪れた際、アデレードのことをとても気に入り、その後アデレードの会社から就職と永住ビザ(RSMSビザ)スポンサーのオファーをもらったことで、ニュージーランドからの移住を決心したのだった。
「アデレードの街は計画的に作られているので、きれいでスッキリした感じがあって過ごしやすいです」。市内に住んで3年になる小野川さん夫妻は、週末はジョギングやBBQをしてアデレードライフをエンジョイしている。また、オーストラリアの働く環境の良さも気に入っているという。「仕事をプライベートのバランスがとれるのもオーストラリアのいいところですね」。

歯科技工士になる

二人の出会いは日本の医療専門学校の歯科技工科。
幼少のころから将来は海外で生活をすることに興味をもっていたという勝太さんだが、歯科技工士になろうと思ったきっかけも海外生活を実現させるためだった。
「祖母の知り合いに歯科技工士の人がいて、そういう職業があるということは小さい頃から知っていました」。中学生の頃から具体的に海外で働きやすそうな職種について意識をするようになっていた勝太さんは、あるとき寿司職人などに混じって歯科技工士も海外での有力職業候補として挙げられているのを知り、進むべき道が自分の中で明確になったという。英語も"その日"に向けて頑張って勉強を積み重ね、専門学校卒業後は歯科技工士として日本の歯科医院に就職、その後アメリカにある会社への転職で海外生活の夢を実現させたのだった。

一方、知世さんは、歯科技工士が自分に一番合っている職業だと確信して歯科技工士の専門学校に入学した。「高校生のときに色々な職業の人と直接手紙でコンタクトができるというプログラムがあって、そのとき歯科技工士の人からの手紙を読んで自分に一番合っている職業だと思いました。医療関係に興味を持っていたのとモノを作ることが好きでしたので」。
卒業後、歯科技工士として働くようになり「実際になってみて良かった」という知世さん。正直、英語は苦手で海外で生活をすることは考えてもいなかったというが、勝太さんとの運命の出会いから、ニュージーランドで二人三脚での海外生活を始めたのだった。

日本人として

小野川夫妻が勤務する会社には現在歯科技工士が10人ほどいて、歯科医からの受注で義歯やクラウンなどの歯科技工物の製作を行っている。勝太さんと知世さんは日本で得た技術と経験はもちろん、仕事に対する真摯な態度が即戦力として採用された理由となったようだ。
「オーストラリアは日本と比べると、新しい技術や材料を早く使い始めることが出来る傾向にあると思います。そのため、こちらで仕事をすることで新しいものをより早く経験できるという良さはあるかもしれません」。オーストラリアで歯科技工士として働くことに手応えを感じている勝太さんと知世さんはまた、将来的には日本や日本の歯科技工分野に貢献したいとも考えている。「海外生活を通じて自分が日本人であるということをより実感するようになりました。こちらのことを日本の歯科技工士さんとも共有したり、オーストラリアと日本の両方に関わって双方に貢献できるような活動もしていきたいです」。

二人は最後にこれから歯科技工士として渡豪を考える人にメッセージを残してくれた。
「最初は不安が大きいと思いますけど、思い切って就職希望先のドアをノックしてみることが大事です。自分たちもそうでしたが、なりふり構わず一歩を踏み出すと先が開けてくる可能性もありますし、日本の技術を認めてもらえるチャンスもあると思います。どんどん行動に移してみてください。」

(小野川さんの連絡先:onogaha@gmail.com )

取材:2015年6月