アデレードで頑張る人を応援

マーク・マー(CPA公認会計士 / CPA Chartered Accountant)、東田 予志也(弁護士 / Lawyer)

日本からのビジネスをサポートしてアデレードを盛り上げたい

CPA公認会計士 / CPA Chartered Accountant
Mark Ma(マーク・マー)

弁護士 / Lawyer
東田 予志也(とうでん よしや)

アデレードの大手会計事務所Jaquillard MinnsでManaging Directorを務めるマークさんは日本語能力試験1級を持つ親日家。日本と南オーストラリア州のビジネスの架け橋になれればと社内のアジアデスクに日本部門を設立し、アデレードで弁護士として活躍する東田さんとのチーム体制で日本からのビジネスをサポートする。

アデレードでの新しい人生

高校生の頃から海外留学を考えていたマークさん。時間をかけて留学先をリサーチした結果アデレードが第一候補となった。とてもきれいな平和な街で、勉強するにも生活するにも理想的だと思ったという。
北京で生まれ育ったマークさんは、大学はそのまま北京大学医学部に進学。医療を学ぶ傍ら日本語も勉強して在学中に日本語能力試験の1級を取得するなど充実した大学生活を過ごし2009年に卒業。満を持していよいよアデレードに渡航した。

アデレードで新しい生活を始めた当初は、北京とは何もかも違うことに戸惑いもあったというが、すぐに慣れて大学院生活を順調に過ごすことができたという。
「ベストを尽くして頑張ろう。家族をがっかりさせないようにしよう」
強い意志を持ってアデレードにきたマークさんには具体的な目標があった。
短期的には、2年間で大学院を修了して5年以内にCPA公認会計士になること。
そして長期的には、会計と言語のスキル、知識を活かしてトップクラスの会計士になること。
マークさんは短期的な目標を見事に達成して、今は長期的目標の途上にある。
「会計を学んだのは、すべてのビジネスの基盤なので会計を習得できれば何をするにしても必ず役に立つと思ったからです」というマークさんはその言葉通り、現在様々なビジネスの基盤を支えながら忙しい毎日を送っている。

日本と南オーストラリア州のビジネスの架け橋に

マークさんは2015年にJaquillard Minnsに入社し、現在はマネージングディレクターとして会社を牽引している。
日本には観光旅行ツアーで1回しか行ったことがないというマークさんだが、日本に対する関心はとても高く、アデレード大学在学中はジャパニーズレストランでアルバイトをしながら日本人のサッカーチームにも所属した。日本に関する情報収拾も日々怠らず、ランチはオフィス近くのジャパニーズ居酒屋が行きつけという大の親日家だ。

そんなマークさんが注目したのが、今年4月に東京に南オーストラリア州政府事務所が開設されたことだった。これからいよいよ南オーストラリア州でビジネス展開をする日本企業が増えてくる、そう確信したマークさんはすぐに社内のアジアデスクに日本部門を設立した。

ちょうどその頃友人を介してマークさんと知り合い一緒に仕事をするようになった東田さんは、会計士そして経営者として優れた実績を持つばかりでなく親日家でフレンドリーな性格なマークさんと意気投合し、マークさんとチームとなって日本からのビジネスをサポートすることとなった。

「Jaquillard Minnsという公認会計士事務所内に日本への窓口を設け、そこで東田さんの弁護士事務所 YT Legalとのチーム体制を構築することで、日本から南オーストラリア州へのビジネス参入のお手伝いをより効果的に対応できると考えています。アデレードを拠点とし、日本の文化や言語を理解しながらオーストラリアのルールに基づいたサービスを提供できることが私たちの大きな特徴です」とマークさんは話す。
具体的には、海外投資家向けの法人化手続き、投資やM&Aに関する調査および手続きなどビジネスの構造的なことから、実際の経営にあたっての税務・財務面でのサポート全般の対応が可能という。

これからの夢

マークさん
「私たちの夢は、顧客、友人そして周りのすべての人たちから信頼されるアドバイザーになることです。それはビジネスをする者として究極のゴールであり、日々忙しいのはそのためでもあります。自分たちのスキルと知識を活かして人の力になることほど嬉しいことはありません」と語るマークさんには繰り返し読む一冊の愛読書がある。
一流を育てる 秋山木工の「職人心得」(秋山 利輝著)。
「会計士も弁護士もビジネスの世界では職人。私たちは日本の職人魂を持って常に自分のすべきことに焦点を定めてベストを尽くしていかなければいけません」

東田さん
「80、90年代には南オーストラリア州では、第一次日本ブームと言えるものがありました。当時は日本の有名会社、企業も積極的に活動をしていました。近い将来、何らかの形で第二次日本ブームが起こり、日本人コミュニティ、日本人のビジネスが盛り上がれば、当地の人間として私も嬉しいです。残念ながら現在アデレードや南オーストラリア州は、オーストラリアの他州と比べると、日本での知名度はまだ低いと言わざるを得ません。アデレードや南オーストラリア州は、オーストラリアの他の場所にない良いところや将来性、可能性が沢山あります。それらをもっと多くの日本人に知ってもらいたいです。今ちょうど南オーストラリア州政府事務所が東京に開設され、お互いに交流促進とビジネスへの関心が高まっています。このチャンスを活かして行くことが大事だと思います」

Jaquillard Minns : https://www.jaqminns.com.au/asia-desk?lang=ja
アデレード、メルボルン、シドニーにオフィスを展開する公認会計士事務所。中小ビジネスから上場企業までオーストラリアの幅広い産業に対して会計および税務に関するサービス、ビジネスに対するアドバイスを行なっている。

YT Legal:http://www.ytlegal.com.au/japanese/
商法、会社法、不動産、相続などを専門分野とした東田氏の個人法律事務所。アデレードの法律事務所での10年以上の経験を経て2018年に設立された。クライアントには在アデレードの日系企業や日本人の個人ビジネスなども含まれ、他の弁護士とのネットワークを通して様々な事案に対する柔軟な対応を行なっている。

取材:2019年10月