留学生インタビュー(小中高校)

自分らしくいられる 長山 愛里沙さん(Arisa Nagayama)

2022年1月、新型コロナウィルスによるオーストラリア入国規制が緩和されると同時にアデレードでの高校卒業留学を開始した長山さん。渡航できずにオンライン授業を受けていた苦しい時期のことも糧にして、残り1年半の留学生活を思いっきり楽しんでいく。

するなら卒業留学

2歳から5歳までアメリカに住み英語に囲まれる環境にいた長山さんは、日本に戻ってからも小学校2年生まではインターナショナルスクールに通っていた。公立校に転校してからは日本語だけを使う生活になり、小学生なりにも自分の英語力が落ちてきていることを感じていたという。そこで中学校は私立の中高一貫校を選び、高校生になったら学校のプログラムを利用して1年間海外留学することを考えていた。
しかし、中学校に入って間もなく留学への考え方が変わることになった。
高校のプログラムでカナダに1年留学した先輩が、現地での留学をとても楽しんでその後も留学を続けたという話を聞いたのだ。「自分もそうなるかな」と直感した長山さんの中で、中学校を終えたら海外に高校卒業留学をするという選択肢がどんどん存在感を高めていった。そして両親も長山さんの考えに理解を示してくれ、高校卒業留学をすることに決めたのだった。特に、海外での経験や英語でのコミュニケーションの大切さを理解している母親は気持ちよく後押ししてくれたという。

留学先の選定は簡単だった。小学生の時にオーストラリアからの留学生をホームステイに迎えたことがあった長山さんは、その時にオーストラリアの文化や学校のことなどを教えてもらい、オーストラリアにとても興味を持っていたのだ。そのため、留学を考え始めた当初から、行き先はオーストラリアを考えていた。
オーストラリアの中でもアデレードに決めたのは、自然が豊かなことや物価が安いこと、教育の質に定評があることを聞いたからだという。聞いたのは、エージェントに相談をしていた友達からだそう。そして、その友達も今、アデレードで他の高校に通っている。

国境閉鎖を乗り越えて

中学校を卒業後の2021年4月からアデレードへの留学を考えていた長山さんだが、オーストラリアの国境は2020年3月から閉鎖されたままだった。オーストラリアへの留学を諦める人もいる中で、長山さんは近い将来国境が再開して渡航が可能になることを信じて、7月の現地のターム3から始まるISEC Connect(英語集中コースのオンラインプログラム)に参加することにした。これにより、7月-12月のターム3と4はオンラインでのISEC Connect、2022年1月に渡航してYear 11の現地クラスへの編入という流れが見えてきた。また、7月までの約3ヵ月間は、アデレードの語学学校ECAのオンラインコースに入り、英語力のアップを図ることにした。

とはいえ、実際にオンラインコースが始まってみると苦労が多かったという。

「1日家にいるのも大変でした。ISEC Connectは正直難しかったです。宿題が結構あったので、授業の後も忙しかったです」
コロナ禍の閉塞感の中、精神的にも厳しい状況だったが、オンラインコースを一緒に受講する同じ年頃の他国の留学生たちとインスタなどで繋がり、お互いにコミュニケーションをとっていたという。その留学生たちも今はアデレードに来ていて、学校は違うがたまに会ったりしている。辛い時期に同じ経験をした仲間ができたことは、コロナ禍で得られた、これからの留学生活に繋がる糧となった。

現地でのYear 11が始まった

満を持してアデレードにやってきた長山さんは、現在学校での生活、ホストファミリーとの時間を満喫している。最初は学校のルールがよく分からなかったり、授業も難しかったり、友達作りのことなど、色々なことが大変だったという。しかし、半年近くが過ぎた今では友達もたくさんでき、何でも先生に聞くことができ、あまり緊張もせずに楽しめているという。
今は5科目をとっていて、生物学など専門用語のある授業はまだ結構大変で、各教科から課題も多く出されたりするものの、自習の時間帯を利用したり、友達と図書館に行ったりしながら頑張って取り組んでいる。
また、長山さんは州政府教育省が運営する"留学生アンバサダー"にも就任し、20人ほどの他国からのアンバサダーとともに、アデレードへの留学をプロモートする活動にも一役買っている。

「家では平日はホストファミリーとの時間を大事に過ごすようにしています。ホストマザーの料理ヘルシーで美味しいですし、食事の後に一緒にテレビを観るのも楽しいです。ホストファミリーは優しくて楽しい人たちで、ハイキングなどよく一緒に行ったりしています。でも土日は意識的に自分で外に出るようにもしていて、友達と出掛けることも多いです」
長山さんがこれまでのアデレード生活で気に入った場所は、海。
「水が透明で、砂がフカフカしていてとてもきれいです」

自分らしくいられる

長山さんは、卒業後の進路や将来のプランはまだ分からないという。
実はアデレードに来る前は、高校卒業後は日本に戻って日本の大学に行こうと思っていたものの、今は現地の高校を卒業してそのままオーストラリアの大学に進学して、建築関係の勉強をしようかとも思っているのだという。現地で出会った留学生の人たちと話すと、高校卒業後はそのままオーストラリアに残って大学に進学する人が多いということも理由の一つだが、アデレードでの留学を始めて長山さんの気持ち的な部分でも大きな変化が生じている。
「こっちは日本よりも自由だし、自分に自信が持てる気がします。広い気持ちを持って自分らしくいられる感じです。オーストラリアは自分に合っていると思います」

長山さんはいま、Charles Campbell Collegeに留学して本当に良かったと感じている。
そして、もっともっと英語力を伸ばしていきたいと考えている。周りのみんなとコミュニケーションをとることを意識しているのはそのためでもある。
また、コミュニケーションをとる中で世界も広がってきている。
「ベトナム人の友達の影響でベトナムの料理や文化に興味を持つようになって、最近ベトナム語の勉強も始めました」

コロナ禍の困難を乗り越えて留学の夢を果たした長山さんは、アデレードでの生活を楽しみながら自分らしく羽ばたいていく。

留学先
チャールズ・キャンベル・カレッジ (Charles Campbell College)
3 Campbell Road, Paradise, South Australia 5075
Website: ccc.sa.edu.au

取材:2022年6月

南オーストラリア州公立校の
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