留学生インタビュー(小中高校)

積極的にやりきった留学生活 大島 悠生さん(Yu Oshima)

2022年4月からアデレードの公立高校 Reynella East Collegeに留学中の大島さん。3タームの留学期間も終わりに近づいているが、後悔が残らないようにと最後まで積極的に留学生活を楽しんでいる。

英語をしっかり学びたい

南オーストラリア州の姉妹県となる岡山県出身の大島さんだが、3歳から8歳まで父親の仕事の関係でニュージーランドに住み、地元の小学校に通っていた経験を持っている。その影響で日本に戻ってから受験した英検では、小学校4年生の時に2級を取得した。 しかし、「そこまでは良かったのですが」と大島さんは言う。
せっかく身に付けた英語を維持しようと、その後も英会話教室に通ったり、自分でも英語の勉強を続けたものの期待するほど英語力が伸びず、何回か挑戦した準一級には結局受からなかった。
「もう一回英語の本場に行って英語をしっかり学びたい、海外の文化に触れたい」。
大島さんは単身で留学することを決意し、両親も賛成してくれた。

留学先としてニュージーランドも考えたが、留学の手続きを開始した2022年当初はまだ国境が再開していなかったこと、留学先ではラグビーをしたかったこと、新しい場所にもチャレンジしたかったことから、オーストラリアを選んだ。そして、オーストラリアの中でも、日本人が多いシドニーやメルボルンなどの大都市よりも、あまり大き過ぎないアデレードの方が英語の勉強には効果的と考えた。

また、2022年4月に留学を開始して2022年中に帰国ができるよう、留学期間は3タームに決めた。留年はせずに高校生活3年間の範囲の中でできることをしたかったという大島さんは、大学受験準備のことを考え、日本の高校2年生の3学期には帰国したかったという。

ラグビーで得た貴重な経験

小さい頃にニュージーランドで始めたラグビーは、大島さんにとってとても大きな存在になっている。帰国後は日本でもラグビーを続け、中学生の時はクラブチームでプレーしていた。しかし高校生が入ることができるクラブチームがなく、中学校受験に合格して入学した中高一貫校には高校にラグビー部がなかったため、ラグビーをするために別の高校を受験し直したほどだ。 「大きい決断でした」と語る大島さんだが、中学生の時には既に留学も計画していたため、留学を支援してくれる高校を選ぶという点でも意味があったという。

当然、留学先もラグビーができる学校を選んだ。ラグビーは大島さんの留学の大きな目的の一つでもあったのだ。 大島さんが選んだReynella East Collegeには課外スポーツ活動でラグビーがあるが、大島さんは入学後すぐに留学生担当の先生に、学校外でもラグビーを本格的にしたいと相談した。
先生は、ラグビーをしているパプアニューギニアからの留学生をすぐに紹介してくれ、その留学生は大島君のホームステイ先近くのクラブチームに入っている現地の生徒を紹介してくれたという。そして体験に呼んでもらった大島さんは、渡航して3週間後にはもうクラブチームの一員としてフィールドを走り回っていた。
「楽しかったし、出会いが多かったことが何よりも良かったです」。

クラブチームでもすぐに中心選手として活躍をしていた大島さんに、立て続けに大きな出来事が訪れたのはすぐのことだった。 留学開始から3ヵ月ほどが経った7月、大島さんはオーストラリア各州代表チームによるラグビー Under 18対抗戦に、南オーストラリア州代表チームメンバーとして参加した。
また、アデレードでは初となるオーストラリア対南アフリカの試合が8月に行われたが、そんなビッグイベントに大島さんは試合のハーフタイムのエキシビジョンでプレーするローカルメンバーに選ばれ、大観衆のスタジアムでプレーすることができたのだった。

結局シーズン終了時に大島さんは、所属するクラブチームから"Under 18's Coaches Award"を受賞するほど、シーズンを通して目覚ましい活躍を見せたのだった。

勉強にも積極的に対応

大島さんは勉強にも積極的に向き合った。
「こちらの高校は、大学のような感じです」という大島さんは、留学当初は学校で勉強する科目数が日本と比べて少ないことに驚いたそうだが、その分、選んだ科目を深く勉強できることは良いことだと次第に思うようになったという。コンピューターが幅広く活用されている現地校のスタイルにも、大島さんは最初の不安を覆して徐々に慣れていった。
「ITが発達していて、先生への質問もオンラインでダイレクトにメッセージを送れます。課題の提出もオンラインです。ペーパーが主流の日本とは全然違いましたが、良い経験になりました」。

また、数学や物理など、内容はなんとなく分かっても専門用語が難しい科目は、先生に質問したり、翻訳機を使わせてもらえるように相談して対応。他の生徒とのペアワークでは英語や文化の違いからコミュニケーションが難しい場合もあったが、とにかく話しかけることで解決していったという。大島さんは、コミュニケーションがとにかく大事ということを実感した。

留学を振り返って

大島さんは、帰国後は日本のある国立大学の国際社会学部に入学して、将来的には海外との関連がある仕事に就きたいと考えている。そのために今回の留学中も特に数学など、帰国後に大事になる日本の勉強も頑張っていた。

また、大学に入学後もまた留学をしたい気持ちもあり、今度はヨーロッパやアメリカも考えているという。 「今そう思っているのも、オーストラリアに留学に来て本当に良かったからです」と語る大島さんにとって、Reynella East Collegeのインターナショナルルーム(留学生が集って交流し、留学生担当の先生とコミュニケーションが取れるスペース)はとても貴重な場所だった。
「留学生担当の先生方は留学生全員に満遍なく気を配ってくれ、本当に親身になってサポートしてくれる頼りになる存在でした」。
他の国の人と出会えて文化を知ることもできたことばかりでなく、他の日本人留学生との出会いも本当に良かったという。「たまに日本語で将来の夢を語ったり、普通に雑談したり、悩みを話し合ったりする機会はとても貴重でした」。

最後に大島さんがこれから高校留学する方へのメッセージを送ってくれた。
「大きな夢を持ち続けて、やりたいと思ったことは全部やってしまいましょう! 後悔をしないようにその時に行動すると良いと思います!」

アデレードで積極的にやりたいことにチャレンジして留学生活を満喫した大島さんは、また次の目標に向かって走り続けていく。

留学先
レイネラ・イースト・カレッジ (Reynella East College)
63 Malbeck Drive, Reynella East, South Australia 5161
Website: reynellaec.sa.edu.au

取材:2022年11月

南オーストラリア州公立校の
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