オーストラリアビザ情報アップデート①
角倉卓馬（Takuma Kadokura）
アデレード大学国際関係学部卒業後、オーストラリア国立大学で移民法のGraduate Certificateを取得。
兵庫県姫路市出身、アデレード在住歴1４年。MIA会員、MARA登録番号0964518。
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ー 永住ビザに繋がる新規設定の一時滞在ビザ ー
近年、大都市圏の人口集中やそれに伴うインフラや雇用が問題となっています。そこで、オーストラリア政府は、移民が田舎地域に根付きやすいように、2019年11月16日に新たに2つのビザを作る予定です。これらのビザを田舎地域で3年間保持すれば、2022年11月に新たにできるサブクラス191の永住ビザを申請できるようになります。
サブクラス491 Skilled Work Regional (Provisional)
これはポイントテストを使用した5年間有効な一時滞在ビザです。45歳未満で、ポイントテストで定められたポイントを取得する必要があります。ノミネートする職種は職業リストにあり、技術査定にパスすることも必要です。Competent Englishの語学力が必要です。州政府または田舎地域に住む家族にスポンサーになってもらうことにより、15ポイント取得することが可能です。489ビザの代わりにできるビザで、今までより多くの職種がカバーされる予定です。
サブクラス494 Skilled Employer Sponsored Regional (Provisional)
このビザはRSMSビザの代わりにできる5年間有効な一時滞在ビザです。このビザを申請するには、45歳未満で、Competent Englishの語学力が必要です。また、雇用主にスポンサーとなってもらう必要があります。ノミネートする職種が職業リストにあり、フルタイムで3年以上の職歴が必要です。
サブクラス191 Permanent Residence (Skilled Regional)
サブクラス491または494ビザ保持者のみが申請できる永住ビザで、2022年11月16日にできる予定です。このビザを申請するためには、田舎地域に3年間住んで働く必要があります。
田舎地域の定義
これらのビザの田舎地域とは、下記の5都市以外のすべての地域です。
• シドニー
• メルボルン
• ブリスベン
• ゴールドコースト
• パース
移民プログラムの予定数の変動は下記の通りとなっております。
| Stream and Category | 2018-19 | 2019-20 |
| Skill stream | ||
| Employer Sponsored | 48,250 | 30,000 |
| Skilled Independent | 43,990 | 18,652 |
| State & Territory & Regional Sponsored | 28,850 | |
| State/Territory Nominated | 24,968 | |
| Regional | 23,000 | |
| Business Innovation & Investment Program | 7,260 | 6,862 |
| Global Talent | 5,000 | |
| Distinguished Talent | 200 | 200 |
| Skill Total | 128,550 | 108,682 |
| Family stream | ||
| Partner | 47,825 | 39,799 |
| Parent | 8,675 | 7,371 |
| Other Family | 900 | 562 |
| Family Total | 57,400 | 47,732 |
| Special Eligibility | 565 | 236 |
| Child | 3,485 | 3,350 |
| Total Migration Program | 190,000 | 160,000 |
2019－2020年度に予定されている総計が前年度に比べ30,000件少なくなっております。また、Skilled Independentはポイントテストで、ポイントの高い人から招待されるビザですが、43,990から18,652と大幅に数が減っております。よって、招待されるのに必要なポイントが高くなることが予想されます。
2021年の11月から、田舎地域で資格を取得したPost-Study Work streamの卒業ビザ保持者は、更に12か月の滞在の延長ができるようになる予定です。*2 また、現時点で有効なDAMAは、ノーザンテリトリーのみですが、現在南オーストラリア州政府もDAMAを締結するために協議中です。
以上の予定されている変更を考慮すると、今後永住ビザを視野に入れた留学をする場合は、田舎地域に留学をするのが望ましいと考えられます。
記事制作協力：TK Migration
*1 Australia's 2019-20 Migration Program,
https://www.homeaffairs.gov.au/reports-and-pubs/files/discussion-paper-australias-2019-20-migration.pdf
Migration program planning levels,
https://immi.homeaffairs.gov.au/what-we-do/migration-program-planning-levels
*2 Budget Measures 2019-20,
https://www.budget.gov.au/2019-20/content/bp2/download/bp2_revenue.pdf