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和太鼓が繋ぐアデレードと日本 ― OTAIKO座明神

今年もアデレードの"Mad March"を大いに盛り上げたWOMAdelaide。そのビッグイベントにユニークな彩りを添えたのは和太鼓でした。そしてその和太鼓を遥々福井県から来て演奏してくれたのがOTAIKO座明神です。福井県西部に位置する越前町織田地区のシンボルとして地元で愛され、35年以上にわたって活動を続けるOTAIKO座明神ですが、今回のアデレード公演はなんと29年ぶり2回目とのこと。アデレードとの元々の繋がりや今回の公演の経緯、そしてアデレードのことなどについて、座長の上坂優さんに伺ってみました。

Q. 1996年にアデレード・フェスティバルで公演されたそうですが、当時はどのような背景で公演が実現したのでしょうか。

アデレード市と織田町は元々交流があり、OTAIKO座明神がアデレード・フェスティバルに参加する話が持ち上がっていました。そんな中で、当時アデレード・フェスティバルのディレクターだったバリー・コスキーさんとイアン・スコーピーさんが来町され、そこで審査会が行われてその場で参加要請をいただきました。

Q. 当時来豪されたメンバーの方で今回のWOMAdelaideにもご参加されたメンバーはいらっしゃいますか。

1996年に参加した16人のメンバーのうち、今回2度目の参加を果たしたのは座長の上坂(当時36歳)、稲垣(当時18歳の大学生)、富田(今回は事務局として)の3名です。

Q. OTAIKO座明神は越前町織田地区に根差した、地区を代表するシンボルですが、どのような背景で結成されたのですか。また、どのような活動をされていますか。

1500年代後期(安土桃山時代)の文献には、織田町の村々に太鼓を打ち鳴らして周ったと記されていて、古くから我が町には太鼓がありました。私も1967年から郷土芸能の無形文化財「明神囃子(みょうじんばやし)」に参加していました。「明神」は町の中心部に鎮座する剱神社を慕って呼ぶ名称になります。そしてそんな太鼓の町のシンボルとして1989年、直径2メートル近い大太鼓「明神」が製作され、和太鼓集団「OTAIKO座明神」が結成されました。
活動としては、日本の伝統の音楽やリズムを自分たちが奏でる楽曲に生かしていくことを心がけた曲づくりに取り組んでいます。海外の方にも、日本の芸能そして日本の音楽として届きますことを願い活動しています。これまで35年以上にわたって週3回の練習を継続していて、これまでの総公演数は1000回を超えます。

Q. 今回のWOMAdelaideでの公演はどのような背景で実現しましたか。また、どのような期待を持って臨まれましたか。

1996年当時アデレード・フェスティバルでプロデューサーだったイアン・スコーピーさんが今回のWOMAdelaideの総監督になられ、直接招待をいただき出演が実現しました。
29年前のアデレード・フェスティバルの経験がOTAIKO座明神のその後の活動に大きな力と支えになってくれました。今回の参加はこれからの未来を託す若いメンバーたちに同じ経験をさせたくて是非にと受けさせていただきました。

Q. 今回実際にWOMAdelaideで公演をされてみていかがでしたか。

アデレードのお客様のボルテージが上がるスピード感と瞬間に熱狂的な歓声があがるその大声援は格別なものでした。特に日本固有の芸能演目である獅子舞にも拍手や声援をいただき、その大きさから、観客の皆様に受け入れていただけたことを確信しました。そんなお客様に「サンキューアデレード、 ウイラブ アデレード」と私たちもステージから叫びました。

Q. お忙しい渡航スケジュールだったと思いますが、アデレードの滞在は楽しまれましたか。

滞在日数は実質6日間でした。期間中はWOMAdelaideの他、アデレード・フェスティバル、フリンジ・フェスティバル、F1サーキットなど、街全体がとんでもない祭りの場と化し、アデレード市民のエネルギーに圧倒されました。また、アデレードの町の美しさ、景観の素晴らしさ、そして何より、人々の心の温かさに感銘を受けました。海外で一番好きな町はと聞かれたら「アデレード!」と答えます。

Q. 最後にアデレードの人たちへのメッセージをお願いします。

ベストフレンドのキャロルファミリー、私たちの演奏に駆けつけてくださいましたアデレード在住の坂井様はじめ、主催された皆様、お世話になった皆様に心から感謝申し上げます。アデレードのすべての皆様にありがとう。またいつかアデレードに帰ってきます。
OTAIKO座明神は日本で毎年8月に太鼓の祭典「OTAIKO響」を行っています。
機会がありましたらぜひお越しください。

OTAIKO座明神:http://otaikohibike.net/myouzinhp/myouzin.htm