アデレードの楽しみ方

フード & ワイン

オーストラリア国内でも良質なワインを生み出す産地があるのが南オーストラリア州。オーストラリア産ワインの約60%がここ南オーストラリアで作られている。豊かな自然と温暖な気候に恵まれた南オーストラリア州は新鮮な食材も豊富。ロブスターやオイスターをはじめとするシーフードや、モモやイチゴなどの果物、豊潤な香りのオリーブオイルなど、新鮮な素材の宝庫である。

温暖な気候のこの地では、オープンエアで食事を楽しむことができるレストランが多く、オーストラリア料理をはじめ、世界各国の料理をリーズナブルに味わえるのも魅力だ。まさに美食家にはパラダイス。自分のお気に入りのワインを見つけ、レストランで美味しい食事とワインに舌鼓をうってみてはいかが。

グルメシティ

アデレード・セントラル・マーケット

Photo: South Australian Tourism Commission
150年以上の歴史を誇り、食料品市場では南半球最大とも言われているアデレードの台所。ところ狭しと80軒以上の店が並ぶ市民の台所では、バラエティ豊かなショッピングが楽しめる。新鮮な野菜、果物などが日本と比べて安く、計り売りで買えるのもうれしい。

www.adelaidecentralmarket.com.au

ストリート・グルメ

レストランが集中しているのは、シティのランドル・ストリート(Rundle St.)、グージャー・ストリート(Gouger St.)、ハット・ストリート(Hutt St.)、ノース・アデレードのオコーネル・ストリート (O'Connell St.)、メルボルン・ストリート(Melbourne St.)など。いずれも個性的な通りとなっているので、ぜひ訪れてみたい。

ランドル・ストリート & イースト・エンド (Rundle Street & East End)

Photo: South Australian Tourism Commission
ランドル・モール(Rundle Mall)の東側に伸びるランドル・ストリートは、カフェ文化を代表するアデレードで最も人気のあるストリートの一つ。特にイースト・テラスに近いエリアをイースト・エンドと呼び、50軒以上もの洒落たレストランやカフェ、パブが続く。歴史を感じるコロニアル風の建物はカラフルなパステルカラーにペイントされ、そのほとんどが歩道にテーブルを並べたオープンテラス。各種ショップや映画館もあり、週末の夜ともなれば、多くの人々が歩道に溢れるほど活気に満ちている。イースト・エンドの終わり、イースト・テラスからノース・テラスへ向かう一角も人気のエリア。

グージャー・ストリート & セントラル・マーケット (Gouger Street & Central Market)


ビクトリア・スクエアの西側に位置するグージャー・ストリートには、各国料理のレストランが並ぶ。庶民的な店が多く、気取らずに入れるのがいい。グージャー・ストリートの北側一角には150年の伝統を持つアデレード市民の台所、セントラル・マーケットがある。世界各国の食材に出会えるのも魅力。マーケット内には広いフードコートがあり、多国籍レストランがひしめきあっている。セントラル・マーケットに隣接して、大きな赤い鳥居が目印のチャイナ・タウンがある。中国料理店をはじめ、中国の食材や雑貨、生活用品を取り扱った店がある。アデレードの中華料理店はほぼこのエリアに集中していて、飲茶の美味しい店がたくさんある。

ハット・ストリート (Hutt Street)

コロニアル・スタイルのカフェやレストラン、ショップが並び、さながら「街の中のビレッジ」といった趣を持ち、高級レストランも見つかる隠れ家的な通り。オープンテラスで朝食を楽しむ人々でも賑わっている。

オコーネル・ストリート & メルボルン・ストリート (O'Connell Street & Melbourne Street)

Photo: UR Caffe
ノース・アデレードにはオコーネル・ストリートとメルボルン・ストリートの2つのダイニング・スポットがある。ノース・アデレードの中心を走るオコーネル・ストリートは40軒以上のレストランやカフェ、パブ、ショップなどが並ぶ、文字どおりのメイン・ストリート。とくにイタリア料理のレストランが多い。陽光を浴びながらオープンテラスでのランチも楽しみたい。
オコーネル・ストリートの東側にあるメルボルン・ストリートには個性的なカフェやレストラン、ブティック、ギャラリーが多い。周辺には歴史を感じる優雅な佇まいの高級住宅が立ち並び、ゆったりとした散策と組み合わせたいスポットである。

ワイナリー

バロッサ・バレー (Barossa Valley)

Photo: South Australian Tourism Commission
アデレードから北東へ約55 km。オーストラリア最大のワイン産地。1842年、ドイツから宗教の自由を求めてこの地へ移住したルーテル派の人々が、母国のライン川の地形によく似ていることからこの地でブドウの栽培を始め、その後一躍オーストラリアを代表するワインの名産地となった。ワイン産業における重要な位置付けだけでなく、樹齢100年以上のブドウの木や歴史的なワイナリーなど誇り高い価値のある地域。
50軒を超える個性的なワイナリーでは、柔らかな香りの白ワインから、重厚な味わいの赤ワインまで、バラエティ豊かなワインが造り出されている。昼夜の気温差が大きく、最高気温は高め。また日照時間は長いが降雨量は少なく、湿度が低い。これらの気象条件によって、フルボディの赤ワイン、上質の酒精強化ワイン、そして全般的にしっかりとした構造の白ワインができる最高の環境が整っている。
バロッサ・バレーをもっと知りたい方へ

マクラーレン・ベール (McLaren Vale)

アデレードから南へ35km。フルリオ半島に位置するマクラーレン・ベールは、小規模ワイナリーが他州にも数多くできるまで、ブティック・ワイナリーのモデル的存在であった。現在でもこの産地は、オーストラリアで最も多様なワイナリーが揃ったワイン産地として知られ、濃厚な風味と色合いの赤ワインと力強い白ワインが生産されている。北方をアデレードの市街地、東方をアデレード・ヒルズ、南方をセリックス・ヒル山脈(Sellicks Hill Range)、西方をセント・ヴィンセント湾(Gulf of St Vincent)に囲まれている。様々な景観を織りなす美しい場所で、新品種の栽培が試されている。
フルリオ半島をもっと知りたい方へ

アデレード・ヒルズ (Adelaide Hills)

アデレードの東約15kmに広がる避暑地。自然公園があり、瀟洒な街があり、趣味のいいレストランがある。最高級のテーブル・ワインとスパークリング・ワインの産地として、重要度を急速に高めている。冷涼な地方のため、シャルドネ、ピノ・ノワール、ソーヴィニヨン・ブランなど、早摘みのブドウ品種に適している。
アデレード・ヒルズをもっと知りたい方へ

クナワラ (Coonawarra)

アデレードの南東約400km、ビクトリア州との境界近くにオーストラリアを代表する高級赤ワインの名産地『クナワラ』がある。フランスのボルドー地方に似ている気候も要因だが、秘密はテラロッサ(表層が赤土・下層が石灰岩)という特異な土壌にある。ここで育ったカベルネ・ソーヴィニヨンは長期熟成に向く超一級品。ワイナリーも数多いが、クナワラ産のぶどうは人気が高く、各地のワイナリーからの要望に応じての出荷も多い。少々遠いエリアだがワイン好きなら一度は訪れたい聖地である。

クレア・バレー (Clare Valley)

アデレードの北約150km、バロッサ・バレーから車で1時間の距離にある。南オーストラリア州のなかでも歴史の古いワイン産地。開拓時代の建築物がいまも残る土地に、約30軒のワイナリーが点在している。赤ワインにも定評があるが、冷涼な気候が上質のリースリングを産むことから白ワインの評価が高い。ドライでフルーティー、それ故ここにぶどう畑を持つバロッサ・バレーやマクラーレン・ベールのワイナリーも多い。また、オーストラリアでは唯一、修道士が経営するワイナリーがある。

気軽で優雅なワイナリー・ツアー

南オーストラリア州ではワイナリーを巡るツアーが数多くあり内容も多彩。バス、リムジン等様々な趣向でワインの旅ができる。レンタカー利用でもいいが飲酒運転はもちろん禁止。親切な地元ガイドとともにワイナリーを探訪すれば、ワインの知識を高めながら気軽に優雅にすごすことができる。日帰り1日コースのツアーで3-4軒をまわるのが平均的。ランチ付きや、観光スポット・ギフトショップに立ち寄る場合もある。訪問するワイナリーはツアーにより異なるので、目的に応じて選ぶことが必要。

ナチュラルフード & オーガニック

バロッサ・バレー

マギー・ビアー・ファーム・ショップ (Maggie Beer Farm Shop)

Photo: South Australian Tourism Commission
地元で収穫された新鮮な食材を使って、有名な料理研究家マギーが調理したオリジナル食品を販売している。各種のパテ、デザート、オリーブオイル、赤ワインビネガーなども品揃え。特にマギーオリジナルの鶏のレバー・パテが人気。オリジナル・レシピをまとめた料理本なども販売している。敷地内の池に面した併設のキッチン・レストランでは、静かな佇まいの中でランチを供している。

www.maggiebeer.com.au
50 Pheasant Farm Road, Nuriootpa
TEL: (08) 8562-4477
(営) 10:30〜17:00
(休) グッド・フライデー、クリスマス、ボクシング・デー、ニューイヤーズ・デー

マクラーレン・ベール

アーモンド&オリーブトレイン (The Almond and Olive Train)

列車の廃車両を利用・改造した店舗で、車内にはオリーブ、フレーバー・アーモンド、オリーブオイルなど地元で採れた特産物が並んでいる。列車の脇には、アーモンドの木が植えられており、季節になるときれいな桃色の花を咲かせる。

Main Road, McLaren Vale Hardy's Winery隣
TEL: (08) 8323-8112
(営) 毎日10:00〜16:30 

アイランド・ワイン&グルメ

カンガルー島産のワイン

アデレードの南、大陸から約16kmの沖合に浮かぶカンガルー島は野生動物の宝庫。日帰りの観光やエコツアーで人気だが、ここ数年、ワイン産地としても注目され、島独特の気候が生む良質のワインは年々評価を高めている。28人の所有者が合計約170ヘクタールの土地にブドウを栽培しているほか、現在開発中のブドウ園もある。この島の最初のワイナリーは、1980年代半ばにブドウ栽培を始めたシグネット・リバー沿い(Cygnet River)にあるフローランス・ヴィンヤード(Florance Vineyard)。ブドウ園は一箇所に集中しているが、2000年にカンガルー島全体がワイン産地に指定された。現存する12種類のラベルのうち5種はオーストラリア、アメリカ、イギリスなどに輸出している。カンガルー島産ワインの購入は、もちろん島内のレストランでも可能である。ペネショーのKI Wine CentreとキングスコートのOzone Seafront Hotelは、ほとんどのラベルを揃えている。ワイナリーの中でワインのテイスティングや購入ができる場所「セラードア」を設けているワイナリーは、Dudley Wines とsunset Wineryの2つ。

Dudley Wines

カンガルー島で最初にできたワイナリー。海を眺める景色でワインと地元のシーフード料理が楽しめる。

www.dudleywines.com.au
TEL: (08) 8553-1333
(開) 毎日10:00〜17:00

Sunset Winery

地元で作られたチーズやオリーブオイルと合わせてワインのテイスティングができる。

www.sunset-wines.com.au
TEL: (08) 8553-1378
(開) 11:00〜17:00
(休) グッド・フライデー、クリスマス

カンガルー島産のグルメ

カンガルー島に来た際には島で育てられたワインや鶏肉、卵、オリーブオイルなどをぜひ味わってみたいもの。特に1860年代にイタリアから持ち込まれたリグリア・ミツバチは世界ではもうここにしかいないといわれており、リグリア・ミツバチの純粋種の飼育は島特有の産業となっている。

クリフォーズ・ハニー・ファーム (Clifford's Honey Farm)

Photo: Meaghan Coles
リグリア・ミツバチから採れるハチミツを加工した製品を販売。季節によって異なった花から採取される密でハチミツが作られる。店内では3種類のハチミツの試食ができる。ハチミツの他、自家製ハチミツアイスクリーム、キャンディー、ハチミツキャンドルなどを販売している。

www.cliffordshoney.com.au
Elsegood Road to D'Estrees Bay
TEL: (08) 8553-8295
(営) 9:00〜17:00
(休) クリスマス

カンガルー島をもっと知りたい方へ