卒業生からのメッセージ NASA宇宙飛行士 毛利衛氏

毛利 衛氏

1976年フリンダース大学大学院博士号取得 / NASA宇宙飛行士 / 日本科学未来館館長

メッセージ

フリンダース大学の卒業生であることは私にとって名誉であり大変光栄なことです。オーストラリアへの留学は私にとって人生最初の大きなステップであり、そこでの経験が私を大きく変えました。

人生には3つのタイプの大きな転機があります。生活の場所が変わること、自分の仕事や行いを変えること、そして大切な人を失うことです。私はオーストラリアで新しい環境と様々な国の人々との新しい生活を経験することになりました。南オーストラリアには人と人との違いや文化、学びの機会として意見の違いを受け入れる、より人間らしさに満ちたライフスタイルがありました。私はそんな南オーストラリアのフリンダース大学でただ生きたのではなく、より成熟した一人の人間に成長することができたのです。その過程で私が発見したのは、どこにいても良い人は良い、能力のある人は能力がある、そして優れているものは優れているということです。

オーストラリアでの発見がありその後私は北海道大学の教授となりました。さらにその発見は宇宙飛行士になるという私の子どものころからの夢を実現させてくれたのです。宇宙飛行士は窮屈な場所で異なった文化の人たちとともに未知の環境下で生活し作業することを強いられます。そのような意味でもオーストラリアは宇宙飛行士として成功するための強固な基盤を私に与えてくれたといえます。そしてその基盤は私が長年にわたってスペースシャトルに搭乗し宇宙で活動することを可能にしたのです。

私は学生として、科学者として、宇宙飛行士として、そして現在は東京の日本科学未来館の館長として長きにわたりオーストラリアとのつながりを楽しんでいます。

私はフリンダース大学に感謝しています。なぜなら私はフリンダース大学で変化への挑戦を受け入れることを学び、自分の知識を高め、視野を広め、まったく新しい可能性を引き出すことができたからです。