アデレード・ユナイテッド監督 アウレリオ・ヴィドマーに聞く
―AFCチャンピオンズリーグ決勝トーナメントにむけた意気込み、
オーストラリアと日本のサッカーの将来について―
オーストラリアのチームとしては初のAFCチャンピオンズリーグ、ノックアウトステージ(決勝トーナメント)進出を果たしたアデレード・ユナイテッド。
オーストラリア元代表FWにして、チームを率いるアウレリオ・ヴィドマー (Aurelio Vidmar) 監督も、この大会は「非常に重要なもの」と位置づけ、試合のための準備に余念がない。
アウレリオ・ヴィドマー (Aurelio Vidmar)
1967年2月3日 アデレード出身
元オーストラリア代表FWプロサッカー選手
代表のキャプテンもつとめる( 44試合17得点)。
日本のJリーグ サンフレッチェ広島でプレィ暦あり(1998,99年)。
現アデレード・ユナイテッドFC監督。
1985年、18歳の時に、アデレード・シティへ入団。
7年間オーストラリア国内でプレィした後、1991年ベルギーへ。
スタンダール・リエージュに在籍した1994-95シーズンには、ベルギーリーグの得点王に輝き、オセアニア年間最優秀選手賞を受賞。
その後、オランダのフェイエノールトやスイス、スペインのリーグでもプレイした。
1998年、当時監督であったエディ・トムソンの縁で、日本のJリーグ・サンフレッチェ広島へ移籍。
目立った活躍はしなかったが、彼が点を取った試合では、サンフレッチェは全勝している。
1999年のナビスコカップで、交代枠を使い切った後にゴールキーパーの前川が退場した際、「オーストラリア人はラグビーの経験が豊富で手の扱いが上手い」という珍妙な理由でトムソン監督に残り時間のGK(ゴールキーパー)に指名され、ファインセーブを連発して20分以上を無失点に抑えきった。
その後、オーストラリアリーグ、アデレード・シティに復帰。
2001年、日本と韓国で開催されたコンフェデレーションズカップでは、オーストラリア代表として再来日。
2004年に現役引退。アデレード・ユナイデッドでコーチを経験した後、2007年からアデレード・ユナイデッド監督に。
( 参考資料 Wikipedia)
■ 敵は移動?!
創立4年のAリーグの雄として、アデレード・ユナイテッドは、わずか2週間で18,000kmもの距離を移動、5試合を戦う。
Aリーグの3試合の合間に、AFCチャンピオンズリーグの試合が組み込まれ、9月は苛酷な月だ。
「15日間に5試合、非常に厳しいものになるのは間違いない。
9月12日にメルボルンで試合、14日までは日本へ移動できない。
鹿島には14日の午後か夜に到着、17日には鹿島アントラーズと決勝トーナメント準々決勝第1試合、
18日には日本を発って、19日にはシドニー到着、20日にはシドニーFCと試合。
21日にはシドニーを出発、24日にはアデレードでアントラーズと第2試合を戦う。
この移動は我々にとっては非常に大きな問題だ。だが、何とかやってのけるしかない。
鹿島戦は大事な試合になるだろうが、2試合ある準々決勝戦の1試合であって、何が起こるかはわからない」。
■ 監督は元Jリーガー
1998年から99年にかけて、サンフレッチェ広島でプレーしたことのあるヴィドマー監督。
当時を振り返って「最高だった」という監督は、自らの経験からJリーグのチームというものを知り尽くしている。
鹿島アントラーズが決勝トーナメントの対戦相手と知るや、ヴィドマー監督は、(鹿島との対戦は)チームにとってビッグチャレンジになるだろうと身構えた。
「厳しい試合になるだろう、鹿島は非常に強いチームだからね。
だが、日本のJリーグで戦った経験もあるし、日本で試合ができるのは楽しみ。
日本にはいい思い出がいっぱいあるからね。
Jリーグでプレーした時期はとてもいい思い出。
(サンフレッチェ)広島の選手たちはよくしてくれたし、いまだにクリスマスカードを送りあう関係が続いているんだ」。
■ 対鹿島アントラーズ戦にむけて
「鹿島が予選グループで戦ったときのDVDがあるから、DVDを見て研究するつもりだ。
すでにスタッフを現地に送り、鹿島とFC東京との試合をチェックしてもらった。
彼らの報告によると、気をつけないといけない選手は、マルキーニョス、本山、小笠原、岩政ら。
鹿島アントラーズは2007年のJリーグ王者で、すばらしいチーム。
スピードもあるし、調子もいい、チームとしての統制もとてもよくとれている。何事も簡単にはいかないだろう」。
Jリーグ経験のある監督率いるアデレード・ユナイテッドは、鹿島アントラーズにとって意外に戦いにくい相手になるかもしれない?!
アデレード・ユナイテッドの選手たち
■ アデレード・ユナイテッドのプレースタイル
アデレード・ユナイテッドのプレースタイルは、通常 4-4-2 だが、ここ最近はアゴスティーノをワントップで起用している。
ヴィドマー監督いわく、チームはボールをまわすプレースタイルを好む。
「パスをまわす展開が望ましいが、時として、相手チームのスタイルにあわせないといけないこともある」と、ヴィドマー監督。
「荒っぽい戦い方をするときもあるが、ボールをまわす方が好きだね」。
■ オーストラリア、日本のサッカーの将来
アデレード・ユナイテッドと鹿島アントラーズとのクラブ対決は、2010年W杯南ア大会予選グループで対決する
オーストラリアと日本のサッカーの将来を占うものとなる。
「タフなグループだが、両国とも予選を突破するはずだ」とヴィドマー監督。
だが、「試合というのはおかしなもので、何が起こるかわからないよ」。
移動に疲れて勝つ見込みなどないと思われているアデレード・ユナイテッドと鹿島アントラーズとが対決するとき、
ヴィドマー監督のこの発言が鹿島にとって予言めいた警告となるかもしれない。
インタビュー・取材 2008年7月 アデレードにて

