アイのオーストラリアワイン vol.4
赤の スパークリング ワイン
「赤のスパークリングワイン?シラーズ?なにそれ?そういえばイタリアで赤のスパークリングが造られていたような・・・・」
今まで飲んだことがあるのは、白かロゼのスパークリングワイン。
白のスパークリングでもピノ・ノワールやピノ・ムニエ(黒ブドウ)が多くブレンドされているワインはボリュームがあった。
ロゼはアペリティフとして、そしてメインとして十分楽しめるくらいの重みがあった。
「赤のスパークリングワイン? しかもピノ・ノワールではなくシラーズ・・・」
それは私の中ではありえないワインだった。

ロゼの色を想像していたから、口を開けたままグラスに注がれていくワインを見入ってしまった。
赤ワインと同じ色だ。
というより黒ビールみたいだ。そしてブラックチェリー、ドライレーズン、チョコレート、ハーブやスパイシーなアロマが広がる。
おいしい!!
思わず笑ってしまった。
甘くて飲みやすい、初めの口当たりはソフトだが、口の中で泡が溶けた後に、段々とボリューム感、ロゼよりリッチな味わいで、柔らかいタンニンと熟したベリーの味わい。見た目もゴージャスであるが味わいもゴージャスでこれ1本で満足できる。赤ワインのこくを持ちつつ甘さもあり、華やか。
ワインが苦手な人でも、赤ワインの渋みが苦手な人でも、料理と合わせなくてもおいしく飲める。
「誰かが遊びに来たらこのワインを出そう。」「誰かの誕生日にこのワインをプレゼントしよう。」
そう考えて買っては、その機会を待たずに自分で飲んでしまう・・・
オーストラリアの発想はすごいな。
まだまだ古い習慣と伝統を好む日本では、なかなか飲む機会がない新しい発想のワインだ。
Sparkling Red (Shiraz) について

1893年、アデレードの Auldana winery の Edmond Mazure が始めてシラーズを使ってスパークリング・レッドを造る。(現在、Auldana vineyards は Penfolds の所有)
ここオーストラリアでは、この赤のスパークリングワインは100年以上も前から造られ、人々に愛されてきた。
夏のクリスマスランチと言えば、冷えたスパークリング・レッドとサラダとローストターキーが一般的なほど、オーストラリアではとてもポピュラーなワインだ。
かといってどこのワイナリーでも造っているわけではなく(オーストラリア全体で約70のワイナリーが製造している)、日本ではまだめずらしいワイン。
このユニークなスパークリング・レッドは黒ぶどうのシラーズ、メルロ、カベルネ・ソーヴィニョン、マルベック、ピノ・ノワール、Durif、グルナッシュなどで造られるが、オーストラリアならではのスパークリングワインは、やはりスパークリング・シラーズだ。
そのスパークリング・レッド用のブドウは遅い収穫の時期に摘んだ、成熟しきったリッチな風味のブドウのみに限定される。Dry red wine 用のブドウとは別に、タンニンの多いブドウは避けて収穫される。
造り方 は、収穫したブドウを破砕、醗酵、圧搾、熟成させ赤ワインを造る。
その赤ワインに糖と酵母を添加、密封し二次醗酵させるのだが、二次醗酵の際に発生した二酸化炭素はそのまま閉じ込められ泡となる。この二次醗酵をどこで(ボトルの中 か タンク)するかは、大きく3つに分類され、ワイナリーにより異なる。
二次醗酵の後、ボトルの中に溜まった澱をピュピートルという穴のあいた台にボトルを逆さま(回転させながら徐々に起こし、最終的には倒立状態にする)に立てて澱をボトルの口元に集め、(職人による過酷な作業だったが、最近ではジャイロパレットというコンピュータ制御の機械が、同じ作業をする)集まった澱は、瓶の口元を凍らせて王冠と共に取り除く。
(ボトルの栓を開けると炭酸ガスの圧力で澱が飛び出す)澱を抜いた際、目減りしてしまった分ワインを足し、味わいを調整、コルク栓をして出荷される。
2.ボトル内で二次醗酵を行った後、その中身をすべてタンクに集めて一気に遠心分離器で澱を取り除き濾過し、新しいボトルに入れる方法。少し低いコストで造ることが出来るが、タンクに移し替える際に炭酸ガスが失われてしまう。
こうしてつくられたスパークリング・ワインのラベルには “bottle-fermented”と書かれている。
これに対し、ニュー・ワールド産の伝統方法によるものは“fermented in this bottle”と書かれている。
3.一番多く行われている造り方は、二次醗酵を密閉されたタンクの中で行う方法。
ワインに糖分と酵母を加えて、二次醗酵によって生じた沈殿物は瓶詰めの前に濾過され除去される。
この方法では瓶内2次発酵ほどのキメの細かい気泡を得ることができない。
(一部に、コーラやサイダーのように、普通のワインに炭酸ガスを注入したスパークリングワインもあり、こちらは二次発酵は行われていない。)
スティルワインを造るだけでも大変だが、スパークリングワインはそれに加えてこのような手間がかかるのだ。
生産者の努力は計り知れない。
スパークリング・ワインの代名詞の シャンペン(Champagne) (正式名称としては、シャンパーニュ) は、フランス・シャンパーニュ地方で、すべて瓶内二次醗酵によって造られる。
ニュー・ワールドのスパークリング・ワインの中には、生産国内で売られる際にはラベルに「シャンパーニュ」と書かれるものもあるが、それがEU圏内に入ると、シャンパーニュと名乗ることは許されず、「スパークリングワイン」とラベル表記しなければならない。
ちなみに、フランスの他の地域でつくられるスパークリング・ワインは「ヴァンムスー」か「クレマン」と呼ばれる。
スパークリングワインは国によって独自の呼び方があり、厳しい規格をクリアーしたものの中に「シャンパーニュ」、スペインの「カバ」などがある。
(他の国のスパークリングワインの呼び方は、イタリアでは「スプマンテ」、スペインでは「エスプモーソ」、ドイツでは「シャウムヴァイン」。)
Sparkling Shiraz
My favorite Sparkling Shiraz
私の一番印象に残っているスパークリング・シラーズは、クレア・ヴァレーのKnappstein Wines のもの。ダークベリー、トリュフ、チョコレートの香り、複雑でコクのあるワイン。酸味もあるが滑らかなタンニンもそなえている。アペリティフやハムやソーセージ、スパイシーなお料理から、ステーキなど肉料理、シチューなどの煮込み料理、甘辛いソースの中華料理とも合う。
クレアヴァレー (Clare Valley) について
アデレードから120キロ、車で約2時間、バロッサ・バレーの北、ヨーク半島のなだらかな丘にある最も美しいワイン産地の1つ。40件以上のワイナリーがあり、最上級のリースリングを産み出すことでも有名で、オーストラリアの最高級リースリングの大半は、クレア・ヴァレーで栽培されている。
国家遺産エリアにも認定されており、昔の建築物が残されている。
移住民により建築された古い石造りの村は当時のそのままの形で残っている。
Knappstein は1976年にティム・シュタイ ン氏により設立されたワイナリー。
1992年にオーストラリア最大手のペタルマが 経営に参加したが、独自な高品質の小規模経営を行っている。ビールも生産されている。
www.knappsteinwines.com.au/
2008年8月
Reported by AI(アイ)
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