gogo map gogo map
Report

 オーストラリアと日本の医療事情の違い・・・

第2弾 ワクチン編


子供を連れて海外に渡航する場合、いろいろと戸惑うことも多いのですが、最も質問の多い、
主として子どもに多く接種されるワクチンの違いに関して今回は少し書いてみようと思います。

世界各国でなされているワクチンですが、その性格には大きく分けて2種類あると考えてください。

   1. その国・地域で特に流行が見られる感染症に対するワクチン 
   2. 国・地域に関係なく、世界中で広く用いられているワクチン


ということになります。
 

1.に該当するワクチンとしては日本や周辺国で広く使用されている日本脳炎ワクチン、そして、歴史的に日本が結核大国であると言うことから、今だに日本では使用されている BCG などは有名なところです。 

その他、現在、開発→実用段階 と言われるマラリアワクチン黄熱病ワクチンなど熱帯地域の致死的(かかると死ぬ可能性がある)感染症に対するワクチンもいくつかあります。
この分野は一般人に対する予防目的もありますが、そういう地域で活動を余儀なくされる軍隊で使用するために積極的に研究が進んでいる状況です。


2.のワクチンとしてはご存知の如く、麻疹、風疹、破傷風、百日咳、ジフテリアなど特に子どもを対象にして全世界で使用されているものが数多くあります。

 さて、日本で接種されていてオーストラリアで接種されていないワクチンもありますし、
逆にオーストラリアで接種されていて日本で接種されていないワクチンもあります。


オーストラリアで接種されていないワクチン


オーストラリアで接種されていないワクチンの代表としては前述した日本脳炎ワクチンBCGです。

日本脳炎は実はオーストラリアでも発生しています。特にクィーンズランド州やニューサウスウェールズ州では毎年、発生が見られています。しかし、現状ではこのワクチンの導入は積極的に勧められていないようです。
重要性の認識の違いでしょうかね、実のところは分かりません。

image picture
そして、BCGは現在、世界を見渡しても接種されている国はあまりありません。
日本は歴史的な特殊事情からこれまで積極的に接種されてきました。しかし、近年、小学生での接種はツベルクリン反応が陰性でも再接種はされなくなりましたし、徐々に縮小傾向にあるといえます。
これに関しては世界の主流に乗るべきか、いまだに先進国の中では結核が多いと言う事実を加味すべきか結論が分かれるところといえます。

インフルエンザワクチンに関しては日本では盛んに行われていますが、ここオーストラリアではあまり、積極的ではありませんでした。「接種してください」とGPに行くと「え!?」という対応をされることもしばしばでしたね。
しかし、昨年の冬に子どものインフルエンザウイルス感染に伴う死亡事例が相次いであったために、今年はGPのところへ接種希望者がかなり、来ているようです。これはここオーストラリアでも有料になります。


日本で接種されていないワクチン


逆に日本で大きな問題となっているのが日本で接種されていないワクチンの存在です。
これにはB型肝炎 ウイルスワクチンHib (インフルエンザ桿菌) ワクチンPneumoccocus (肺炎球菌) ワクチンMeningococcus (髄膜炎菌) ワクチンなどがあります。

そして、水疱瘡おたふくかぜのワクチンはこちらではすべて無料で接種できます。
加えて、ポリオウイルスワクチンは日本ではいまだに生ワクチンと呼ばれる生きたウイルスを口から飲むワクチンですが、こちらでは注射のワクチンが使用されています。これには生ポリオワクチンを接種した赤ちゃんの便から他の人が感染してしまうと言う事態を防ぐことができるメリットがあります。

日本で接種されていないワクチンの存在は非常に大きな問題です。

3歳までの気管支炎肺炎、中耳炎
そして、最も怖い髄膜炎の原因細菌は、肺炎球菌とHibと呼ばれるインフルエンザ桿菌のb型と呼ばれるものです。
抗生物質が効きにくい耐性菌も増えていることから、この2つのワクチンを接種することでこれらの病気の重症化を防ぐことができます。4~5歳を超えるとそれほど大きな問題ではなくなるのですが、年齢が小さければ小さいほどこれら細菌に対するワクチンの重要性は増します
特に髄膜炎にかかるとそれに伴い命を落とすこともあり、命は助かったとしても後遺症を残す場合もあります。

image picture
それらがワクチンで予防できるとしたらどうでしょう?

Hibワクチンの方は有料で日本でも導入されることが決まっています。
でも、ここオーストラリアではこれらのワクチンがすべて無料で接種できると言うメリットがあります。

また、これらのワクチンは短期滞在者のお子さんにもすべて無料で適応されることになっているのでオーストラリアに滞在される機会がある方にはぜひ、近くのシティカウンシルに問い合わせをされることをお勧めします。 


「防げる病気は防ぐべし!」 

National Immunisation Program Schedule
誕生時 Hepatitis B
 
2ヶ月 Diptheria, Tetanus, Whooping Cough
Hepatitis B
Haemophilis influenzae type B (Hib)
Polio
Pneumococcal
 
4ヶ月 Diptheria, Tetanus, Whooping Cough
Hepatitis B
Haemophilis influenzae type B (Hib)
Polio
Pneumococcal
 
6ヶ月 Diptheria, Tetanus, Whooping Cough
Hepatitis B (12ヶ月目かどちらかで)
Polio
Pneumococcal
 
12ヶ月 Measles, Mumps, Rubella (MMR)
Haemophilis influenzae type B (Hib)
Hepatitis B (6ヶ月目かどちらかで)
Meningococcal C
 
18ヶ月 Pneumococcal (if elidible)
Varicella (chicken pox) +
 
4歳 Diptheria, Tetanus, Whooping Cough
Measles, Mumps, Rubella (MMR)
Polio
 + These vaccines are not currently funded under the National Immunisation Program.
 

 

written by Dr.TERU

医療コラム ライター Dr.TERUのご紹介