豪州と米国は、両国間のオープンスカイ(航空自由化)協定に関する政府間交渉で合意に達した。16日付地元各紙が伝えた。
今回の協定締結により、両国に拠点を置く航空会社は週5便以上の新路線就航に関して政府の承認を取り付ける必要性が消失。カンタス航空と米ユナイテッド航空による事実上の複占状態に終止符が打たれることになる。
協定で最大の恩恵を受けるのは、運輸大手トール・ホールディングス傘下の格安航空ヴァージン・ブルー。
これまで航空1社当たりの運行本数は操業初年度で週4便に制限されていたため収益の確保は難しいとされていたが、同航空は米国路線就航に向け、7月に新しいブランド「Vオーストラリア」を発足。11月をめどに、週10便運航する考えを示している。
ヴァージンのゴッドフリー社長は、豪米両国の航空自由化協定締結を極めて大きな前進と形容。アルバニーズ運輸相も、航空運賃低料金化で「消費者に多大な利益を与える機会になる」との可能性に言及した後、国内線の競合促進にも刺激を与えるとの見通しを示した。
一方、シドニー~ロサンゼルス路線のシェア率約80%を握るカンタス航空のディクソン最高経営責任者(CEO)は、「成長と競争をもたらす新時代の幕開け」と指摘。今年後半にエアバスの超大型旅客機A380型機を導入し、利用客の囲い込みと輸送効率の向上を通じてヴァージンを迎え撃つ考えだ。
ただ今回の協定が、世界的な航空業界に及ぼす影響は微少との見方が一般的。新たに豪米線に参入するのはヴァージン1社で、ユナイテッドを除く米国系航空会社は新線開設を考えていないと伝えられている。
さらに、豪米線就航を強く求めていたシンガポール航空(SIA)、カナダ航空、アラブ首長国連邦(UAE)ドバイに拠点を置くエミレーツ航空の乗り入れは認められないまま。アルバニーズ同相も「自由化促進は重要な課題だが、豪州の国益確保を最優先する」と説明。現時点で、SIAやカナダ航空に豪米路線を開放する「考えはない」と明言した。
(NNAより)

