アンドリューさんは、シティーの南に位置するClarence Gardensで、奥様と最近生まれたばかりの息子さんと一緒に暮らしている。生まれも育ちもアデレードのアンドリューさんは、自分のスタジオを構えるプロのカメラマンであると共に、英語教師、DJをするなど多彩な顔を持っている。
Year 8(中学2年生)の頃に日本語の勉強を始めたというアンドリューさん。とても流暢な日本語で話してくれたがそれもそのはず、日本に10年間近く住んでいたという。
日本を初めて訪れたのは1985年、アンドリューさんが高校生の頃だった。国鉄のフリーパスを使い約1ヶ月間という短い期間で東京から姫路、岡山、京都、奈良、福岡、熊本そして鹿児島の桜島まで旅をした。この旅は思春期のアンドリューさんの心にとても大きな影響を与えたそうで、アデレードに戻ってきたときの第一声が「早く日本に帰らなくては!」。
その後はアデレード大学で文学史と、Honours Degree(名誉学士)の二つの学位を取得。大学を卒業後は、アデレード大学と姉妹校である明治大学に文部科学省認定の初めての交換留学生として、大学院で14ヶ月間、日本近現代史を学んだ。オーストラリアへの“一時帰国”を挟んで客員研究員として再び明治大学に戻り、その後は横浜市役所の教育センターで編集者として横浜市内の公立学校向けの英語教材を作るなど、様々な角度から「日本」に触れていた。編集者を終えると今度は、昭和女子大学中高部で2007年まで英語の教師として教鞭をとる事となった。「先生も生徒もとてもいい人達で大好きでした。昭和女子大学は海外にもキャンパスがあるので、パリ、ロンドン、ローマに30人、ボストンキャンパスに150人近くの生徒を1ヶ月間ほど引率したこともありましたね。責任も重大で大変でしたけど、いい思い出ですね」。
カメラが趣味で、10年ほど前に1眼レフを買ってから毎日写真を撮っていたというアンドリューさん。そんな彼に転機が訪れたのが2004年のアメリカ人のプロカメラマン、アンディ・バーカ氏との出会い。彼に会ってから、写真の取り方や、レンズ、照明、ストロボの使い方等写真家としての基本的なノウハウを学ぶこととなった。昭和女子大で教鞭をとる傍ら、夜間はセミプロのカメラマンとして働いた。当時は主にイベントやスポーツ、特に日本でのオージーフットボールのカメラマンを担当していたそうだ。アデレードに戻ってきた現在は、Kent Townにある自分のスタジオでカメラマン一筋の生活。「撮影は主にイベントやPRの写真ですね。ワインボトルの写真を撮る仕事も結構多いです。ボトルを撮った後に、そのワインをいただける事もあるんですよ」(笑)。
(Go Go アデレードの「留学生インタビュー」に使わせていただいている写真もアンドリューさん撮影のものです)。
仕事は忙しく、“一瞬を収める”という責任も大きいが、ストレスはあまり溜めこまないそうだ。そこに一役買うのは南オーストラリアの地元の人気ビール、Coopers Pale Ale(クーパーズ ペール エール)。日本のビールもさっぱりしていておいしいが、Coopers Pale Aleはとてもコクがあり、添加物を使っていないところがオススメなのだとか。
最近息子さんが生まれ、休みの日も24時間お子さんに付きっきりのアンドリューさんだが、お子さんが生まれる前はDJとしても活躍していて、日本で暮らしていた間も毎週DJのイベントを企画していたのだとか。「夏には、友達とDJのチームを作っています。日曜日の昼から日没までの“Sundown”というイベントです。去年はCurrie StreetにあるEdinburgh Castle Hotelのビア・ガーデンでイベントを開きました。今年はビーチの方でやろうかと計画中です!」
アンドリューさんのもうひとつの趣味は釣り。Rapid Bayの近くのSecond Valleyの浜辺では、イカがよく釣れるそう。「海辺のBed and Breakfastを予約して、自分が釣ったばかりの新鮮なイカを昼食に食べるというのも最高ですよ」。
「おいしい食べ物を見つけるのが大好き」というアンドリューさん。奥様と一緒にいろんな料理を食べに出かけるのが日々の楽しみのひとつだそうだ。「アデレードを一言で言い表すなら、『うまい!』ですね。オーストラリアの65%以上のワイン生産地が集まる南オーストラリア州だからワインもおいしいですし、なにより、アデレードにはおいしいレストランがたくさんあります。飲茶ではSouth Terraceの近くの“Citi-Zen”という店がおいしいです。和風の料理などもありますよ。ベトナム・ヌードルだったら、Hanson Roadにある“Pho Baria 2”がオススメ。オーストラリア料理だったら、やはりパブ料理が絶品ですよ。Schnitzel(シュニッツェル)と呼ばれるカツレツなどのカウンター・ミールはオーストラリア独特のもので、Pulteney Streetにある“Coopers Ale House”のシュニッツェルは、なんと顔よりも大きくて、食べきれないくらいです」。
そんな食通のアンドリューさんがアデレードで好きな場所はGouger Street。多国籍なレストラン、おいしいコーヒーを淹れてくれるカフェ、新鮮な野菜やフルーツが買えるセントラルマーケットなどがずらりと並び、非常に多彩な食文化が見て取れるそうだ。
多彩な食文化を楽しめるアデレードについて語るアンドリューさんの顔は生き生きしていて楽しそう。多彩な顔をもつアンドリューさんのパワーの源はまさにその「美味さ」のようだ。

(2009年9月)
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