
記事掲載日:11月15日
ダーウィンからアデレードの3,000kmを最新設備を搭載したソーラーカーで東海大学が33時間足らずで走破してから1ヵ月。今度はメルボルンからダーウィンをリヤカーを引いて時速5kmの速さで踏破しようとする人がいる。自らを「あるきにすと」と呼ぶ吉田正仁さんだ。
吉田さんが「あるきにすと」になったきっかけは、バスや列車でヨーロッパやアジアを旅して最初は楽しくても、そのうち自分の好奇心が摩耗していると感じたとき、「時速5kmというスピードで旅をすれば、バスや列車ではただ通りすぎてしまうだけの小さな街や村を訪れ、そこに暮らす人々に会うことができる」と思ったこと。
以来、吉田さんはこれまで、ユーラシア大陸徒歩横断(16,000km)、北米大陸徒歩横断(6,400km)を成功させ、今回はオーストラリア大陸縦断を約4ヵ月かけて歩く計画だ。実は元々はオーストラリアを歩く予定はなかったという吉田さんだが、「砂漠地帯、スチュワートハイウェイの写真を見て即決しました。直感的にここを歩きたいなと」。
オーストラリアを歩き始めて間もない吉田さんが「他の国々と比べ、明らかに多いです」と語るのは、歩行中に車のドライバーから手を振られる回数の多さ。また、歩行不可のフリーウェイに出くわすと地図を見ながら一般道のルートを探さなくてはならないが、「オーストラリアには親切、穏やかな人が多く、これまですでにたくさんの人に助けられました」という。吉田さんのオーストラリア縦断の旅の出だしは上々のようだ。
吉田さんは現在アデレードのMitchamの知人宅で、しばしの休息をとっている。しかし、「所持する水量はこれまでで最も多くなるはずです。食事はストーブでラーメンを作ったり、米を炊いたりというのが基本ですが、砂漠地帯では水を使った調理はせず、携帯する水は全て飲用の予定です。メルボルンからアデレードまでの約2週間は荷台の空きスペースにいかに水を載せるか、1日の摂取水量を予測したり、ずっと砂漠の事を考えていました。最悪、日中の気温が暑すぎて歩く事ができなければ、夜間歩行なども考えています」と、これからいよいよ入っていく砂漠踏破に向けた準備に余念がない。
リヤカーを始め様々なツールが必要となる吉田さんのチャレンジには、多くの日本企業がスポンサーとなっている。「サポートしてくれる企業の探し方なんてネットで探しても見つからなくて、全てが手探りでした」と、吉田さんがコンタクトしたのは数十社に上る。返事をもらえなかったり、スポンサーの協力をいただけなかったりした会社も多かったが、それを残念に思うよりも「この計画に賛同してくれた方々がいるということを本当に嬉しく思いましたし、感謝の気持ちで一杯でした」。
日本から、そして現地で、様々なサポートをリヤカーに載せ、「あるきにすと」吉田さんのオーストラリア縦断の旅は人と自然との出会いを繰り返しながら続いて行く。
吉田 正仁さんブログ「ALKINIST―あるきにすとー」
記事協力:GO豪メルボルン