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暑い日がだんだん増えてくると存在感が大きくなるのが、冷や奴。白くて四角い一丁の豆腐は、おかずのメインにはならなくても日本の食文化の中心的存在。豆腐のことを見つめ直せば、そのシンプルな味わいも深く感じるようになってくるかもしれない。

低カロリー、高たんぱくで栄養価の高い大豆から作られる豆腐はまさに「豆豊」。日本人の食卓には欠かせない豆腐は、オーストラリアを始め世界中でヘルシーフードとして定着してきている。豆腐の加工品なども多く、豆腐の楽しみ方は様々だ。

豆腐の歴史と分布

豆腐のルーツは古く、約2千年前の中国で作られたものだといわれている。日本に伝えられたのはそれからずっと後の奈良時代(710~794年)から平安時代(794~1185年)にかけて、遣唐使として中国に渡った僧や学者たちが持ち帰ったという説が有力。当初は寺院や朝廷のみで食される高級食材だったが、江戸時代(1603~1867年)の中ごろになってようやく庶民の間にも広がっていった。 大豆食品が貴重なタンパク質源となっている極東~東南アジアでは、豆腐は日常の食卓に欠かせない食品となっている。また興味深いことに、呼び方も日本と中国はともに「豆腐」と書き、朝鮮半島では「トブ」、ミャンマーでは「トーフー」、ジャワ島でも「トーフ」というように、多少のなまりはあっても、ほぼ共通している。

女性の味方

豆腐の主原料である大豆は、癌、高血圧、動脈硬化、心臓病、糖尿病などの発症の抑制や回復などに効果があるといわれているほか、女性ホルモン(エストロゲン)と似た働きをすることで世界的にも注目度が高い物質、イソフラボノイドは大豆に非常に多く含まれている。そのため、更年期障害など女性ホルモンの減少によって起こる諸症状への効果が期待されている。

また、生の大豆に比べて消化効率が良く、無駄なく栄養を摂取できる豆腐は、腸内の善玉菌を増やしたり、記憶力を高め、脂肪代謝やストレス、美肌にも効果があると言われる優れものだ。

豆腐の種類と作り方

豆腐と聞いて先ず連想するのは「木綿」と「絹ごし」。「木綿」はその名の通り豆腐を作る過程で木綿の布を使うが、「絹ごし」の名前の由来は木綿豆腐と比べてその食感がなめらかできめ細かいことによる。

「木綿」も「絹ごし」も基本的は、水に浸して軟らかくなった大豆をすり潰し、それを煮て濾して出来上がった豆乳に「にがり」(海水から塩を作る際にとれる液体。主な成分は塩化マグネシウム、塩化カルシウム)などの凝固剤を入れて作られるが、もともと昔から作られタンパク質がより多く含まれるのは木綿豆腐。それぞれの豆腐に含まれる栄養に差が出るのは次のような製法の違いによる。

木綿豆腐

豆乳ににがりなどの凝固剤を入れ、ある程度固まったものを木綿の布を敷いた三方に穴のあいた箱型に流し入れ、そこに重しをすることで箱に空いている穴から水分を切りながら固めていく。
製造過程で水分を絞ることで栄養分が圧縮されるため、たんぱく質やエネルギー、脂質など絹ごし豆腐に比べて栄養価が高くなっている。

絹ごし豆腐

より濃い豆乳に、にがりなどの凝固剤を入れたものを穴のない箱型に流し入れ、水分を切らずにそのまま固める。木綿の布目で表面がザラザラとなる木綿豆腐と違い、きめが細かい滑らかな豆腐に仕上がる。冷や奴などで定番の日本独特の豆腐。 水分を絞ることで、水溶性のビタミンB類やカリウムが水分と一緒に流れ出してしまう木綿豆腐と比べて、絹ごし豆腐はビタミンB類、カリウムをより多く含んでいる。
また、スーパーなどで一般的に販売されている豆腐の多くは充填豆腐だが、これは充填絹ごし豆腐とも呼ばれる絹ごし豆腐のこと。充填豆腐とは、一度冷ました豆乳に凝固剤を入れ、パックなどの容器に詰めたあとに加熱して固めたもので、ほとんど全ての行程を機械で行うため大量生産ができるため製造コストも低く抑えられ、また容器に密閉されたあとに加熱殺菌するので、日持ちが良いという長所がある。

豆腐の食べ方は、一般的には焼いたり、炒めたり、煮たり、揚げたりする際には、しっかりとした固さがある木綿豆腐。冷や奴やサラダなど、豆腐そのものの食感を楽しむときには、絹ごし豆腐、と言われるが、もちろんこれは好みの問題。料理やそのときの気分に応じて気軽に楽しめるのも豆腐の大きな魅力のひとつ。

豆腐にまつわる食材

豆腐を作る過程でできる豆腐の兄弟分「おから」と「豆乳」。どちらも栄養満点の健康食品なので、豆腐と一緒に是非楽しみたい。

豆乳
豆腐のもとである豆乳には、豆腐とほぼ同質の栄養素がバランス良く含まれている。豆乳は血中コレステロールを低下させ、腸内環境を良好にするほか、鉄分の補給効果も認められている。大豆固形分の含まれる割合により分類され、「豆乳」は8%以上、「調整豆乳」は6%以上、「豆乳飲料」は4%以上の大豆固形分がそれぞれ含まれている。豆乳の美白成分を利用したローション、石けん、パックなどの化粧品も人気。

おから
「おから(御殻)」とはその名の通り大豆の殻、豆乳を絞った後の残り粕のことだが、「雪花菜」と書かれたり「卯の花」とも呼ばれる。粕とはいえ、大豆の繊維を豊富に含んだ健康食品。便通を改善し、腸の中に溜まった有害物質を排泄してくれる。また、おからに含まれるレシチンは血管に付着したコレステロールを溶かし、動脈硬化を防止する効果があるほか、記憶力、集中力を高めたり、痴呆の予防にも役立つ。

また、薄く切った木綿豆腐の水を切り、低温の油でゆっくりと揚げた「油揚げ」、水を切った木綿豆腐を高温の油で揚げた「厚揚げ」、水を切った木綿豆腐を凍らせて乾燥させた「高野豆腐」、木綿豆腐を崩して水を切ったものに、細かく刻んだ野菜と山芋の摺り下ろしを混ぜて丸めて低温の油でゆっくりと揚げた「がんもどき」など、豆腐を加工した食品も様々!

豆腐の豆知識

【水は豆腐の命】
80-90%が水から成る豆腐は、まさに水を食べる食品。水の質が豆腐の味を大きく左右する。豆腐作りにより適しているのは食材本来の風味や旨味を引き出してくれる「軟水」。ミネラル分の多い硬水の場合、タンパク質と結合して豆腐が硬くなる傾向にあるので、家庭でミネラルウォーターを使って豆腐を作る際はより硬度の低い水を使った方がよい。

【豆腐の角に…】
とても柔らかいものの例えとしても使われる豆腐。「豆腐の角に頭をぶつけて死ね」とは、豆腐に頭を打ち付けて死ぬことは不可能だが、真に受けて本当に豆腐に頭をぶつけて死のうとするくらいの愚か者だと嘲る言葉。英語で言うと…。

豆腐でもっとヘルシーに!

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